【農業教育】農家インターンシップ~最終日(7/26)

中野さんに「與北君、5日間どうでした?」と訊いたら「ほんとよくがんばったと思う」と即答されました。高校生なんだからバテたり投げ出したりするかもなとも思っていたけれど、最後までいっしょに作業をやりきったことに感心されていました。まじめなので指示したことを正確にちゃんとやり続けてくれる、と。
與北君にきけば、さすがに5日間のうち2~3日めは体もきつかったそうです。帰ってすぐシャワーを浴びてご飯を食べて仮眠をとる、というふうにしてから乗り切れるようになったと言いました。
学校で習っていることとの最大の違いは「おいしそうに見てもらえるようにすること」です。収穫するにも大きさを揃えて袋詰めします。最初慣れないうちはちゃんと秤で重さを量り、慣れてきたら同じくらいの重さのものを見て判断できるようになります。最初は”同じ重さ”と言われてもかんたんには判断できず、ピーマンの収穫もカゴに1/3ほどしか採れませんでしたが、だんだん数カゴ収穫できるようになりました。
中野さんに「彼にいちばん伝えたかったことはなんでしょうか」と訊きました。
農家はものづくりが仕事。おいしいと言ってもらうことがやりがいだけれども、買う時点では味はわからない。だからお客さんにおいしそうだと思ってもらうために”オトコマエに(キレイに)収穫してオトコマエに袋詰めする”ことを知ってほしかった」と言ってくれました。
さて、きょうでインターンシップは終わりですが、與北君は明日からもきたいくらいだ、と。ということで、これからもスポットでアルバイトをしに来てくれることになりました。

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北山さんに「カレら、どうでした?」と訊いたら「思ったよりやってくれたわ」とお答えいただきました。「ほんま元気やわ」と。さすが元気モノの竹内君と森君です。
北山さんに「彼らにいちばん伝えたかったことはなんでしょうか」と訊きました。
農家のしんどさや地味さ。収穫は楽しいけれど、その裏に単純でたいへんな作業がたくさんあることを知ってほしかった。やってもらったのは育苗用ポットに土を入れる作業、ナスの剪定、暑いハウスの中での片付け作業など」と言ってくれました。
「オレもそういう地味な仕事が好きなわけとちゃうもん。でもそれをやらんと収穫もできへんしカネも入ってこうへん。しんどくて地味な作業をどうやってちゃんと続けられるかがだいじやねん。」
イチゴの育苗ポットの土入れも数千を作らないといけません。でも、「一日こん詰めてやりきる」みたいなことをしようとすると嫌になるし疲れるし。だから、地味な仕事は一気にやりきるのではなく毎日少しずつやっていって何日かでやりきれるようにするそうです。だから、毎日「明日はコレを〇〇くらいやって、それが終わったらアレを〇〇くらいやって…」となんとなくの計画を立ててやるそうです。

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 今回のインターンシップを通じて、中野さんと北山さんにいちばん感謝したいのは”手加減をしないでくれた”ことです。中野さんも「”キツい”と言われて”やってよかった”と思った」とおっしゃいます。

相手がシロウトだから、若いから、楽しいと思ってもらえるようにと、”子供向けに設えられた生ヌルいモノ”が世の中にたくさんあふれています。でもプロの現場が厳しいのはどうしようもない事実なので、ふわふわと入ってしまうと後で「こんなはずじゃなかった」となってしまいます。彼らは本気で農家になることを考えているからこそ、ほんとうに厳しいプログラムを用意してくれたことが、ほんとうのねうちだと思っています。
とはいえ、収穫したてのおいしい野菜をおみやげでもらったり、作業のあとにスイカを切ってもらったりシソのジュースを飲ませてもらったりと、とても可愛がってもらっていました。

夏休みに入りますが、新学期にはインターンシップ参加者による発表会もしようという話になりました。またこの”第一弾”を検証して、さらに農家さんにとっても子供にとっても有意義なインターンシップを設えていこうと思っています。

【↓中野さんのインタビューと北山農園の作業風景はこちら。】

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