文部科学省委託事業|地域×生徒×農業 — 専修学校を核とし相互課題を解決するネットワークの構築

【農業教育】プロの農家さんの仕事を体験(11/14)

甲英で学ぶ農業は「野菜の栽培」の実習とその知識の学習が中心です。しかし、実際の農家さんの仕事は「野菜の栽培」だけではありません。もちろん、経営や販売などもありますが、農場の設備の設営や撤去などの仕事もたくさんあります。規模が大きくなればなるほどそういった仕事もたいへんになります。

きょうは、甲英の2年生全員で、昨年も実習でお世話になった北山さんの農園におじゃましました。きょう北山農園で子供たちが取り組むのは”地味な作業”です。北山さんは、夏に2人の生徒をインターンシップで受け入れしていただいたときにも「単純でたいへんな作業がたくさんあること」を学んでほしいとおっしゃっていました。北山農園は北山さんとご両親で運営していて、繁忙期にはパートさんがきます。たくさんのハウスと広い農場の管理はとてもたいへんです。きょうは、作物の植え付けや世話や収穫といった”楽しい”作業以外にもたいへんな作業があることをを学びます。

まず生徒たちが取り組むのは「イチゴのハウス内での設備の設置作業」です。

夏にインターンシップでお世話になった竹内くんと森くんは育苗ポットに培養土を入れる作業をしました。そのポットに苗が植えられその苗がハウスの中の棚に植えられ、いよいよ花が咲きはじめつつある状態です。何列もある長さ50mの棚に、実が成った茎が重みで傷まないようにするネットの支えをつける作業です。
北山さんがグラインダーで鉄パイプを40cmの長さに切ったものを作り、それを生徒たちがテープで支柱に巻いていきます。そしてそのパイプにネットを取り付ける部材をはめ込んでいきます。
いざ作業を始めてみると、「先にパイプに部材をはめ込んだモノを支柱に取り付けるほうが早い」という班や「先にパイプを設置する場所に配っておいて作業をしよう」という班など、それぞれが作業を工夫するようになります。
用意していた部材はあっという間になくなったので、ここからは全員を半分に分けて、残った半分で部材にネットを取り付けるためのロープを張る作業をはじめました。

残りのメンバーは次に「収穫の終わったトマトのハウス内での撤去作業」に取り掛かりました。

トマト栽培が終わったハウスの中には、枯れたトマトと支柱がそのまま残されています。これを撤去しなくては、次の栽培ができません。
まずは枯れたトマトを引き抜く作業、ついでトマトを支えていたワイヤを外していく作業、ついで金具や支柱を外していく作業などに取り掛かります。ハウス内に残っていたトマトと支柱も、みんなでかかればあっという間に片付きました。

植え付けや収穫は楽しいけど、片付けっていうのはやっぱりいちばんヤル気が出にくい仕事。自分ひとりでやるなら丸一日かかる。もちろんヤル気が出にくい作業を丸一日できないから、半日ずつを3日くらいかかってやるだろう。でも、みんなが手伝ってくれて1時間もかからずに片付けてくれた。ほんとうにありがとう」と北山さんは話してくれました。

実習が終わったあとの感想では、
・毎回作りなおさなくてはならないとは初めて知りました
・片付けがしやすいように工夫されていることが勉強になった
・効率よくしようと考えながらやったのでたくさんの発想が出た
・どうしたら早く終わるかを考えるのは楽しかった
などの意見が出ました。

どんな仕事にも、その準備や片付けなどの作業がついてきます。そしてそれはしばしば、その仕事の”主な部分”と較べてヤル気が出にくいものです。そういったものにも堅実に取り組めることは、どんな仕事に就くにしてもだいじなことです。また、単純な作業ほど、早くじょうずにおこなう方法を考えれば格段に効率的になるものです。一つひとつの作業をするにも、いつもアタマを使ってやることが癖付けられたらよいと思います。
今回の実習を経て、学校の農業実習についても、学校のスタッフの側で済ませがちな準備や片づけなどの地味な作業も、みんなで取り組むことで学びにしていくことが重要だと気付かされました。