文部科学省委託事業|地域×生徒×農業 — 専修学校を核とし相互課題を解決するネットワークの構築

【地域連携】今年度の活動を総括する分科会を開催しました。

(左から、井上氏@町教委・前田氏@町役場・仲井氏@上阿古谷地域・井谷氏@下阿古谷地域・谷氏@民田地域・後藤@本校校長)

2019年度の猪名川グローカル・地域連携分科会の総括をすべく、委員のみなさまにお集まりいただき、まずは今年1年の取り組みの報告をさせていただいたうえで、次年度に向けた検討をおこないました。

2018年度(初年度)の自立支援分科会では
・地域行事へのさらに積極的で主体的な参加の必要性
・さらに多くの生徒の巻き込みや学校行事との整理の必要性
・伝統行事への関わり/行政への継続的な提案の推進
・農村生活や里山生活の学習の必要性
などに取り組むべきであるということが議論されました。

それを受けて2019年度は
・地域に貢献するとともに地域活動を知るという目的で
防災活動(土嚢づくり)に参加し、消防の支援を受けて防災学習
夏祭り地域運動会餅つきといった地域活動への参加は継続しつつ、
“楽しませてもらう”だけではなく、裏方としてイベントの設えに参加
・伝統文化継承については、獅子舞を継続することに加えて
民田地区の”三矢の儀式“に参加
・町役場主催の高校生フォーラムに引き続き参加
などをおこないました。

また、次年度は、高等専修学校ならではの自由度を活かしてカリキュラムや時間割をコンパクトにすることで、さらなる外部提携事業や選択授業を充実させることを予定しています。

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【前田悟】猪名川町役場)

阿古谷地域(学校の立地する地区)の活動に参加した子供たちの反応はどのようなものか?

【事務局】

主に有志による選択的な参加にしたのだが参加する子供はかなり増加した。夏祭りなどは半数近い生徒が参加した。
概ね、“働く”や”責任を果たす”という活動は意欲的に参加した子供にとってはとても魅力的なようだ。貢献を褒められることによって自己肯定感を得られることが重要なのだと考えている。いっぽうで、勉強になるだろうと思って設えた学習的なものは、実際に働く活動と比較すると反応がそれほどでもない。設えにもっと工夫がいるという反省はある。

【前田】

猪名川町主催の高校生フォーラムについては学校や子供はどうとらえているか?

【事務局】

この学校に在籍している子供たちの知的好奇心に関する上下の振れ幅は非常に広い。そのため、知的好奇心の高い子供はこの学校での学習に持て余しがちであるのも事実だ。そのためには、より彼らが社会と関わっているという実感を得られる活動や、校外のプロフェッショナルと共同で進める活動はとても意義深いことだと考えている。じっさいに町長以下町役場の幹部のみなさんに提案できる高校生フォーラムや、じっさいに予算措置をいただいて共同で進める政策推進活動はたいへん重要であり、ありがたい。

(ここで獅子の活動に参加した子供たちが挨拶にくる)

~これからも甲英の子供たちが獅子舞を継承していくために、地域のまちづくり協議会が補助金を受けて新しい獅子頭と太鼓を設えてくれました。きょうは、みなさんが学校においでで会議をなさるということで子供たちがお礼を申し上げたいということで休み時間に挨拶に来ました。秋祭りに続いて11月のいながわ祭りで披露し、こんどは4月の桜まつりでも披露させていただくことになっています。

【仲井常雄】(阿古谷まちづくり協議会~地域団体)

これからもいろんなところで披露してほしい。猪名川の外にもぜひ!

【事務局】

獅子舞は阿古谷地域の大歳神社の神事なので、その宮司でもある仲井さんのお墨付きをいただけたので(笑)、どんどん活動を推進していきたい。こんどは君たちが新入生たちに稽古をつける側になるけれどだいじょうぶかな(笑)?
~(もちろんです!)

【谷清】(阿古谷みらい協議会~地域と学校の協働事業を推進する団体)

阿古谷地域と甲英で共同で進めている活動についてもっと知ってもらうための活動が必要だ。

【前田】

行政イベントは発信力に限界がある。先日駅前のショッピングモールで甲英のクッキング部の生徒たちが販売活動をおこなっていたが、あのような民間と共同でおこなうイベントにさらに積極的に参加していくべきだ。
猪名川の複合施設では残念ながら空店舗なども増えているので、協力してくれると思う。

【事務局】

学内で農業を担当する教員と議論しているなかで、近隣農家のお手伝いをさせてもらえないかということが出ている。とくに次年度以降は農業カリキュラムの中で収穫物の販売や活用をしていきたいと思っているが、学校の実習農園の作物だけでは収量も心許ないので収穫させていただくことはできないか。

【谷】

現在阿古谷の農家にアンケートをしているが、そのなかでも「高齢で後継者がいない・離農したい」が増えている。学校で覚えた農業の技術を地域で発揮してくれるのはたいへんありがたい。地域や地域農業をおおいに元気づけることになるだろう。

【事務局】

次年度はカリキュラムのなかに選択活動を取り入れようと思っているが、そのなかで有志による「力仕事」みたいなものを取り入れようと思っている。カラダを動かしたり働いて貢献することで達成感を感じる子供がたくさんいるのもあるが、彼らが実際に将来的に就労するにあたってもいい経験になると思っている。

【井谷丈志】(阿古谷みらい協議会~地域と学校の協働事業を推進する団体)

それはとてもありがたい。繁忙期だけアルバイトを雇うところも多いし、むしろ手がかかるので諦めて耕作放棄されているところはたくさんある。もちろんバイト代は出せるよ(笑)。自分たちで植え付けして収穫するならその収穫物を活用してもらっていい。
実は、先日トラクター乗りたいって言ってうちに来た子がいたよ(!)畑のまんなかあたりで乗るなら安全だから構わないよっていって乗せてあげた。

【大前繁明】(大前学園理事長)

アルバイトをしている生徒はたくさんいる。他でバイトするくらいなら阿古谷の農家でバイトできるなら彼らもうれしいだろう。阿古谷地域の農家のどれくらいがどんなサポートを期待しているかを把握して実現させたい。

【後藤直樹】(猪名川甲英高等学院校長)

猪名川甲英は地域と農業の学校なので、かかわる子供を増やしていきたい。実は、この3月の卒業式のあとでも校内で獅子舞を披露させてもらうことにしている。じっさいに獅子舞の活動に関わった子供と保護者以外にもこのすばらしい取り組みを知ってほしい。

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次年度はグローカルプロジェクトの最終年度になります。それぞれの委員のみなさまいただいたサポートを、どのようにすれば学校のルーティンにスムーズに組み込むことができるかを検討する年度になります。学校のイベントと地域行事との行事の重複や意義を検証したり、中間考査を廃止することで地域行事に合わせた学校スケジュールを組みやすくするなどはすでに決まっています。

高校生フォーラムや獅子舞などの伝統行事にかかわる活動を”地域活動部”という部活動から、選択授業にすることで確実に責任をもって校内で継承できるようにしていきます。
さらには同じく選択授業で地域農家のお手伝いをさせていただくことなども、より積極的におこなっていきたいと考えています。

今年度の高校生フォーラムで子供たちが提案して猪名川町で事業化されることが決まった防災施策についても、引き続き町役場の担当のかたと議論をして実現に向けて活動を進めていきます。

猪名川甲英高等学院が阿古谷地域にやってきてこれで丸四年。さらに地域の一員として、地域から学ばせてもらうとどうじに地域に貢献できる存在になっていきたいと考えています。