文部科学省委託事業|地域×生徒×農業 — 専修学校を核とし相互課題を解決するネットワークの構築

【地域連携】自治会と消防本部の協力で防災学習~土嚢を作って積む(7/27)

地域福祉は、けっして行政が税金ですべてを経営しているわけではありません。ゴミの収集と処分をしているのは役所かもしれませんが集積所の管理は地域がしています。学校の運営は教育委員会かもしれませんが登下校の見守りは地域がしています。高齢福祉も、消防も、そして防災も、行政だけではなく、地域のボランティアによって支えられています。
都市部の若い人たちの中にはそんなことを考えたこともない人がたくさんいますが、農村ではごくあたりまえのことです。
猪名川甲英高等学院は、廃校になった旧猪名川町立阿古谷小学校の校舎と敷地を利用して3年前に開校しました。それいらい、地域のみなさんに支えられて学校は運営されてきました。甲英の子供たちも、ある意味においては「阿古谷の村の一員」です。だからこそ、地域のために貢献したいと考えてきました。

上阿古谷の自治会長にお時間をいただいて「なにか地域のお力になれないでしょうか。地域福祉が地域住民に支えられているということを学ばせたいのです」というお願いをしました。そこで自治会長から提案をいただきました。
「そういえば去年の嵐で備蓄していた土嚢を使ってしまった。だからまた嵐の時期の前に土嚢を作らなきゃと話していた。いっしょに作るかい?」
そのお話を受けて、猪名川町消防本部にも「この機会に合わせて啓発教育をしていただきたい」とお願いに行くと、こちらも快諾いただきました。

夏休みに入ってからの土曜日に設けられた登校日、3年生たちは上阿古谷の自治会館近くの倉庫に集合しました。そこには自治会のみなさんと猪名川町消防本部の消防士さんたちがすでに準備して待っていただいていました。きょうはここで「土嚢の作りかたと積みかた」を実習したあと、学校に戻って消防士さんから啓発講義を受けることになっています。

まずは消防士さんから土嚢の作りかたのレクチャーです。
砂をナイロンの強い袋に剣スコップで詰めていきます。あまり多く詰めすぎると重くて運べなくなってしまいますので、ある程度の量で止めておかなくてはいけません。それに、だいたい同じ重さの土嚢を作らなければいけません。土嚢を積んで堤を作るわけですから、同じ大きさの土嚢でなくてはじょうずに堤にならないのです。コツがいるのは袋のくくりかた。消防士さんのお手本に続いてみんなで倉庫に山積みされた砂を袋に詰めていきました。

続いて土嚢の積みかたです。
川の溢れそうなところで作業をするときにはぜったいに背を川に向けて作業をしてはいけません。必ず川に正対して作業します。土嚢はくくった口を下流に向け、括った口を土嚢の下に折り込んで積んでいきます。口が上流を向いていると水が袋に流入しやすく、破れる原因になってしまいます。互い違いに数段積み上げ、また、積んだ堤が倒れてこないように内側に(里から見て)支えるための土嚢も積みます。
学校で農業の実習もしている彼らなので、作業の実習はみんなで楽しく盛り上がってやりました。

学校に戻ってからは、消防士さんに講義をしていただきました。
台風や災害の種類や警戒レベルのこと、この学校も避難所であること、消防団と常備消防の違いなどについてお話をお伺いしました。

きょう学んでほしかったことは大きく二つです。一つは、防災についての知識や心構え。もう一つは、地域の安全や福祉が地域ボランティアによって下支えされていることです。子供たちも阿古谷の一員として、また、子供たちは自分の住む街に帰ればその街の一員として、地域の安全に貢献できる人間になってほしいと思っています。

【↓当日の実習のようすはこちら。】